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白鳥殺人事件
   
昭和60年6月 光文社(カッパ・ノベルズ) 刊行  浅見光彦シリーズ 第 6作
   
ストーリー
主要登場人物
   
   
≪ストーリー≫
   
・プロローグ
   
  今年に入ってからでも3度目の放火であった。去年の秋口からの連続放火事件は11件を数えることになる。
所轄の警視庁・駒沢署は異例の特別捜査本部を設置した。
駒沢署に『犯人らしき人物を目撃した』との電話が入った。電話の内容は放火事件の後すぐに『三好』と言う家の息子が火事現場の方から慌てて走ってきたとの事だった。
捜査本部では三好少年を現行犯逮捕する事にして三好家の張り込みをした。
そして、自宅からずっと離れた街角のゴミ箱に放火した所を現行犯逮捕された。
   
・虫愛ずる娘
   
  光彦が書いたエッセー『毒入り菓子、企業恐喝事件』が問題になり兄・陽一郎は衆議院予算委員会で野党議員から噛み付かれた。

光彦のところに『菓業タイムス』と言う業界紙から仕事に依頼が来た。依頼した理由は過激なエッセーを読んだ社長・芹沢が気に入ったと言う理由だったが本当は警察庁刑事局長の弟だったからだった。

光彦と芹沢は東北へ取材旅行に旅立った。途中、水戸で通り一編の取材をした後、芹沢の娘で現在は大学への通学の関係で身との兄夫婦のところに住んでいる玲子と落ち合い食事をした。
食事の最中に芹沢は自分はいつ死んでもおかしくない。もし、死んだら娘をお願いしますと光彦に言った。

取材旅行も最後に新潟に来ていた。泊まったホテル『ホテル新津』で光彦の隣に部屋にいた芹沢が殺された。芹沢が死ぬ間際に最後の力を振り絞って『白鳥の』と書き残した。

   
・招かざる探偵
   
  第一発見者の光彦は疑われた。しかし、光彦が警察庁刑事局長の弟と判ると立場は一転して捜査協力をする事になる。
ダイイングメッセージの『白鳥の』が特急列車『白鳥』に関係がある可能性から当日『白鳥』に乗ってきた人物を探したところ同じホテルに偽名で宿泊している2人が浮かんだ。
その内の一人、会社員・琴井音夫(45歳)が静岡県熱海市で水死体で発見された。琴井の本名は岸田宏志(52歳)であることが判った。

警察は琴井=岸田が芹沢を殺し金を奪ったが逃げ切れないと観念して自殺をしたと断定して捜査を終了させてしまった。

玲子が光彦の元を訪れ、自分一人でも捜査を続けると言い光彦も一緒に捜査すると玲子に言った。

芹沢と一緒に取材した企画『ふるさと自慢・菓子自慢』の担当ライターが光彦に代わる前の担当ライターだった金子義郎に会い話しを聞いた。その中で芹沢と金子が取材で訪れた岐阜県に白鳥町と言うところがあり、そこの旅館で芹沢は知り合いに会ったようだと言う情報を得た。

   
・もう一人の男
   
  光彦は岐阜県の白鳥町に向かった。
芹沢と金子が宿泊した旅館『浅野屋』に行き、宿帳の中に『峰野雪夫』と言う名前を発見する。新潟のホテルに偽名で泊ったもう一人の人物『峰村雪則』に似ている。
人は偽名を名乗る時に無意識の内に癖のようなものが働く。これは明らかに同一人物による偽名の臭いがすると光彦は感じた。
また、女中の咲子から芹沢が峰野の部屋に盗聴器を仕掛けた事を知る。女将からは峰野が越宮勘三と言う人物に電話をかけていた事を聞く。でも、実際は越宮の息子『義人』に用があったようだ。

義人は大阪に住んでいるとの事なので光彦は大阪に向かった。新潟で偽名を使ってホテルに宿泊した岸田の住所も大阪だった。
行ってみるとその住所には旭光製菓の工場があり、以前その場所には岸田の経営する菓子工場があった。

玲子が水戸の伯父の家かた東京の自宅に戻ると物陰に隠れていた人物に襲われた。しかし、その人物は玲子に一撃を食らわし気絶させただけで逃げていった。
金目の物は盗られていなと思われたが父・武史の書斎が荒らされていた。

   
・「六日祭」前夜の謎
   
  光彦は金子に岐阜での事を話したところ、金子は何かを知っているようだった。

福井県の九頭竜湖の上流側で金子の死体が発見された。
金子は死ぬ前に岐阜の旅館『浅野屋』で写真を見せて峰野雪夫の確認をしていた。その写真は『菓業タイムス』の社員旅行の写真のようだった。

そこで光彦は芹沢の家に行き玲子からそういった写真を借りることにした。そこで玲子の進めでコーヒーを飲みながら音楽を聴いていると『白鳥』の曲が・・・・・

   
・白鳥の歌が聴こえる
   
  もしかすると芹沢のダイイングメッセージ『白鳥の』は『白鳥のテープを聞け』と書こうとしたのではないか。そこで芹沢の家にある『白鳥』と名が付くテープを聞いてみた。
テープの一つに『毒入菓子、企業恐喝事件』の犯人と思われる人物の会話が録音されていた。
光彦はさすがにこの事件は自分一人の手におえるものではないと考え兄・陽一郎に報告して、いざと言う時は警察の力を借りる事にした。

玲子に借りた写真を持って再度岐阜の『浅野屋』を訪ね写真を見てもらったところ峰野雪夫は石黒八郎と判明した。
この事実を新潟の小山刑事に連絡し、芹沢武史の殺害当日に偽名で泊っていた客かどうか確認してもらうと峰村が石黒である事が判明した。

小山刑事が東京に芹沢殺害当日の石黒のアリバイを確認しに来たが、完璧なアリバイがありその証人は警察だと。
警察に確認を取ると放火犯人らしい人物を見かけたと通報し、その通報通り本人を逮捕できたとの事。

   
・双頭の虫は死ぬ
   
  光彦は大阪に行き旭光製菓の盛田清二社長や管野総務部次長から話しを聞いた。岸田の工場が旭光製菓に吸収される時の交渉担当者は当時社長室長で現旭光運輸の常務の松永圭一と言う人物で、実は盛田社長とは異母兄弟だった。その松永は芹沢とも面識があった。
また、松永は俳句の会『蓑の会』を主宰していた。

東京に戻った光彦は玲子から芹沢も『蓑の会』の会員だったことを聞く。そして『蓑の会』の名簿には今回の事件の関係者7人の名前が載っていた。

『毒入菓子、企業恐喝事件』の犯人から“タクマハム”と“三木製菓”に脅迫状が届いた。

   
・野望のシナリオ
   
  犯人はタクマハムをダミーに使い三木製菓からまんまと3億円を奪取した。
しかし、光彦は兄・陽一郎に頼んで手配してもらった警視庁の捜査員を数人づつ犯人宅等に配置していた。その一ヶ所に犯人らしき人物が現れた。その後、その犯人らしき人物の一人の身柄を確保した。

『蓑の会』の句会に一人まだ来ていない人物がいる。やっと来たと思ったがそれは光彦だった

   
・エピローグ
   
  玲子の22歳の誕生日
光彦は玲子の脳裏から忌まわしい事件の記憶が全て消え去る事を夢想した。
   
   
≪主要登場人物≫
   
・芹沢玲子
  22歳
  国立常陸大学4年生
  茨城県水戸市の伯父夫婦の家に下宿
  本作品のヒロイン的存在
   
・芹沢武史
  東京都世田谷区在住
  菓業タイムス 社長
   
・石黒八郎
  菓業タイムス 編集
   
・下川健一
  菓業タイムス 業務
   
・岸田宏志
  52歳
  大阪府枚方市香里ケ丘ニュータウン在住
   
・金子義郎
  東京都杉並区阿佐ヶ谷在住
  ライター
   
・盛田清二
  旭光製菓 社長
   
・松永圭一
  旭光運輸 常務 元旭光製菓社長室長
  俳句の会『蓑の会』主催
   
・越宮義人
  大阪府茨木市在住
  元大阪府警 巡査部長
   
・矢島
  新潟県警捜査一課 警部
   
・清水
  新潟県警新津署刑事課捜査係 警部補
   
・小山
  新潟県警新津署刑事課捜査係 巡査
   
   

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