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天城峠殺人事件
   
昭和60年9月 光文社(光文社文庫) 刊行  浅見光彦シリーズ 第 7作
   
ストーリー
主要登場人物
   
   
≪ストーリー≫
   
・プロローグ
   
  光彦は母・雪江の命令で日本古式泳法『薫泳会』が参加した大会の取材に来ていた。母・雪江は『薫泳会』の名誉会長を務めているのだ。
会場で『浅見さ-ん』と参加している少女から呼ばれたが、それは光彦ではなく、もう一人の『浅見さん』という女性だった。

光彦が自宅に戻ると留守中にアイドル歌手の桜井夕紀から『相談したい事がある』と電話があったらしい事を母・雪江やお手伝いの須美子から聞く。

   
・千社札を見る娘
   
  旧天城トンネル付近を六人の大学生が歩いていた。もう少しで天城トンネルに入るというところで一台の乗用車が一行を追い抜いていった。
一行がトンネルの中に入った時、トンネルの向う側から車の急ブレーキ音に続いて『ドーン』という低く鈍い衝突音が響いてきた。
旧天城トンネル付近の崖下で老人男性の死体が三島市の中学生一行によって発見された。
死体の身元は遺留品や家族から出ていた捜索願から小林章夫(67)と判明した。小林は毎年7月に一人で寺社巡りをするのが習慣であったが、今回は予定日を過ぎても帰らなかったため家族が捜索願を出していた。

警察は六人の大学生が事故を目撃した可能性がある事を付き止め六人の大学生の話を聞いた。又、現場近くでヘッドライトのものと思われる小破片が散乱していて、その破片の特徴から車種を推定することができたので全国の警察に該当する車が修理に持ち込まれたかの洗い出しを行うように依頼した。

光彦は修善寺の境内で古式泳法の取材に出掛けたときに見たもう一人の『浅見さん』を見かけた。光彦と『浅見さん』はぶつかりそうになり、そこから話しをする事ができた。
『浅見さん』の本名は小林朝美と言って学校の先生をしているとのことであった。そして、朝美は亡くなった小林幸夫の娘だった。
小林幸夫は『下司』と書かれた千社札を100枚持って寺社に貼る旅をしていたらしい。

光彦は事故現場付近で調査をしていたが地元の駐在に通報され身柄を警察に拘束されてしまう。

   
・夢の国へ
   
  東京都目黒区のマンションで桜井夕紀と藤田武邦の死体が発見された。発見したのは二人が所属する芸能プロダクション・武上プロの社長・武上清作だった。
遺書が見つかったが、それは歌謡曲の歌詞のようだった。

光彦は武上に話しを聞くため武上プロを訪れる。そこで夕紀の両親に会い、両親からも話しを聞いた。

所轄の目黒署は藤田の服毒無理心中との判断を出した。

   
・北の旅
   
  両親の話だと光彦に相談の電話をしてきた3日前に会っているが特に変わったところはなかったとの事。
そうすると、両親に会ってから光彦に電話をした3日間に何かがあったと考えた光彦は3日間の行動を調べた。

その3日間は『義経と静』というテレビドラマのロケで岩手県の大船渡に行っていた。そこでドラマの制作会社を訪ね夕紀の3日間の様子を聞いた。
黒木というプロデューサーによると2日目から様子がおかしくなったとの事。そして1日目の収録の後にドライブに出掛けていることも聞いた。

光彦は大船渡に行き夕紀が宿泊したホテルでドライブから帰ってきた時は様子がおかしかった事を聞いた。

光彦は何気なく長安寺という古刹に行ってみた。ふと、小林朝美のことを思い出した。朝美の父親も同じような時期に死んでいる。
そこで偶然に『下司』の千社札を発見した。その千社札はまだ比較的新しく、つい最近貼られたもののように思えた。
光彦は全身が硬直して動けなくなった。他の寺社にも行き千社札を探したみたところ数箇所で千社札を発見できた。

   
・見えなかった理由
   
  大船渡から戻った光彦は朝美と会い『下司』の意味を聞いた。
そして、後4〜5日で真相を解明すると言い、明日伊豆に行くと告げた。

伊豆を訪れた光彦は『下司』の千社札を探し回った。そして、事件の真相がやっと判った。
その後、下田署を訪れ永井刑事課長に事件の真相の一部を話すが取り合ってもらえず腹を立てて下田署を後にした。

武上のところに『岩手の者』から怪電話が入るようになった。

   
・二つの峠路
   
  武上が消えた

光彦は武上は岩手に向かったと考え、兄・陽一郎に事情を話し岩手県警に手配してもらった。
そして、兄・陽一郎に全てを話した。

   
・エピローグ
   
  光彦と朝美は岩手県の長安寺を訪れた。
朝美は『父の貼った札を剥がすのはやっぱり子の務めだと思うんですよね』と言って千社札を剥がし手帳のページに大事そうに挟んだ。
   
   
≪主要登場人物≫
   
・小林朝美
  東京都調布市在住
  教師
  本作品のヒロイン的存在
   
・小林章夫
  67歳
  東京都調布市在住
  小林朝美の父親
   
・桜井夕紀
  21歳
  東京都目黒区在住
  アイドルタレント歌手
   
・藤田武邦
  28歳
  桜井夕紀のマネージャー
   
・武上清作
  桜井夕紀の所属プロダクション 武上プロ 社長
   
・保田
  静岡県警捜査一課 警部
   
・永井
  静岡県警下田署刑事課長 警部
   
   

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