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小樽殺人事件
   
昭和61年4月 光文社(カッパ・ノベルズ) 刊行  浅見光彦シリーズ 第 8作
   
ストーリー
主要登場人物
   
   
≪ストーリー≫
   
・プロローグ
   
  津田麻衣子の姉の祥江から小樽に来て欲しいと電話が入った。
祥江は、母親がガンで入院、父親の事業がうまくいかなくなって津田家が破綻の危機に瀕していたとき結婚の約束をした恋人がいたにも係わらず津田家を救うため小樽から舞い込んだ縁談を承諾して嫁いでいた。
   
・黒い揚羽蝶
   
  光彦が書いたキャッチフレーズ『三人寄ればフェリーで小樽』が採用され、キャッチフレーズの依頼元(小樽市)から小樽に来て小樽の紹介記事を書いて欲しいと頼まれフェリーで小樽に向かった。

一美のパーティーの最中、義姉・勝子に男から電話が入る。
祥子はその電話を勝子に取り次ぎ、自分は妹・麻衣子を千歳空港まで迎えに行き、久しぶりに姉妹で食事をした。
パーティー会場に麻衣子と共に戻ると勝子の姿が見えず来客も身内以外帰っていた。

フェリーは入港準備に入り光彦は甲板より陸に向けてカメラのシャッターを切っていた時に人間が海に浮いているのを発見した。

小樽市役所の観光課職員・寺島泰浩と待ち合わせ市内の名所を巡り小樽駅前の『小樽国際ホテル』にチェックインすいると小樽警察署の鳥羽刑事がやって来て死体発見の時の状況を聞かれた。
死んでいたのは『小樽の夜の女王様』と言われている女性で青酸を飲んで死んでいた。青酸を飲んでから海に飛び込むと言うのは考えられないので他殺と思われると聞いた。

鳥羽刑事が死んだ勝子が経営するクラブ『忍路』で聞き込みをしているところに光彦が現れた。
光彦は鳥羽刑事とは別にホステス達から勝子について色々質問をした結果、刑事達が聞き出せなかった色々な事を聞くかとができた。
そこへ、クラブ『忍路』のナンバーワンホステスの紗綾香が勝子のコートのポケットから“黒い揚羽蝶”を見つけて持って来た。

   
・ガラスの館
   
  麻衣子は小山内家で一美に付き添っていた。
風呂に入ることになったが一美が入りたくないと言うので麻衣子一人で入った。そこに白い封筒があり中には黒い羽の蝶が入っていた。驚いていると目の前に小山内俊子が立っていた。それにも驚いたが封筒を俊子に渡した。

部屋に戻ると一美は『母を殺した犯人を知っている』と言った。

光彦と寺島は『北一ガラス』を見学していた。そこに一美と麻衣子が来ていた。
光彦はいきなり事件の話しをして麻衣子を怒らせてしまった。

光彦と寺島は夕食に静屋通りの『千登瀬』で蕎麦を食べることにした。そこには鳥羽刑事が来ていて主人から話しを聞いていた。
鳥羽刑事が帰った後、光彦も話しを聞こうとするがここでも主人を怒らせてしまった。

勝子の通夜の時。麻衣子は姉・祥子の子供達の面倒を別室で見ていたが一美から言われた『犯人は父』という言葉が気になっていた。

通夜の翌日の朝、なかなか起きてこない俊子を幸子が起こしに行って自室で首吊り死体となっている俊子を発見した。
その時、俊子の身体から白い封筒が落ちた。

   
・信州安曇野
   
  鳥羽刑事が光彦の泊るホテルに俊子が死んだ事と黒い蝶の事を伝えに来た。
光彦は帰る予定を変更して鳥羽刑事と共に小山内家に行き麻衣子から黒い蝶の入った封筒を見つけた時の話を聞いた。

光彦は勝子の葬儀のため小山内家の人々が勝子の家に行っている間に小山内家のお手伝いの田淵千代から元々能登の出身で小樽には時国家の補佐役として来たが、時国家の人間が死んでしまったのでその権益を手中に収めたという話しを聞いた。
また、行方不明の勝子の夫・哲也が勝子を殺したのではとも・・・・・

麻衣子が葬儀から帰ってくるのを待って二人で食事に行き、津田家の昔の話し、特に幼い頃姉と一緒に言った信州安曇野の話を聞いた。

   
・青ひげ
   
  警察は俊子の死を自殺から他殺に切り替え再度小山内家の人々から事情聴取を始めた。
千代は光彦に話した小山内家の過去の話や哲也が怪しいという事を明本警部に話した。しかし、その話しは光彦が言わせたものと判った明本警部は光彦の身元を調べるように鳥羽刑事に指示した。
鳥羽刑事はホテルに光彦を訪ね話しを聞いた。その中で犯人像も聞いた。そして、その犯人を“青ひげ”と名づけた。

光彦が指摘した“青ひげ”は一本のタレコミ電話から浮かび上がった。その人物は林田寿之だった。
林田の別宅を家宅捜索した結果、勝子の指紋と毛髪等が発見された。又、テーブルの下の絨毯から青酸反応まで出た。
警察は林田を犯人として逮捕したが、林田は死体遺棄は認めたものの殺人については否認した。

光彦と麻衣子は東京のホテルのレストランで食事をしながら話しをしていた。その中で光彦は姉・祥子の別れた恋人が犯人ではないかと言った。

   
・あの人はもういない
   
  光彦と麻衣子は安曇野に向かっていた。その列車の中で光彦は祥子の元恋人は生物か理科の先生ではないかと推理した。
安曇野の着いた二人は『大町北高校』に行き昔の写真を見せてもらった。その中に目当ての人物がいた。彼の名前は霜村俊澄という名前だった。
しかし、霜村は失恋を苦にして自殺をしていた。そして、霜村の故郷は石川県の能登半島だった。

光彦は再び小樽に行き鳥羽刑事と共に俊子の殺害現場へ行き一人でも犯行が可能か実験をしてみた。その結果、犯行は一人でも可能だった。

   
・最後の犠牲者
   
  光彦は小山内家を出て蕎麦屋『千登瀬』に向かった。
蕎麦を食べ終えた後、主人に一美の父親の事を質問したが的外れな質問だった。しかも、逆に恐喝者として警察に通報されてしまい刑事から尋問を受ける事になってしまった。
しかし、光彦の正体がバレてしまい、改めて警察署で『千登瀬』の主人から話しを聞いたが逆に“自分の思い上がりを裸に剥かれ、目の前に放り出されたような気がした。自分のやっていることは、好奇心と自己顕示欲を満足させたいがためのものではないだろうか? しかも正義感面して・・・。”と思うような事を言われた。

しかし、光彦はそれでも犯人を確認するために小山内家に向かった。

   
・エピローグ
   
  最終的には3人の犠牲者を出してしまった。

光彦は“臆病者!”と幾度となく己を罵った。こういう結果を予測しながら目と耳と口を覆って東京へ逃げ帰った怯懦そのもののような自分が情けなかった。
そして、この事件を玩んだ自分に・・・・・

   
   
≪主要登場人物≫
   
・津田麻衣子
  22歳
  建設会社『T』総務部人事課 勤務
  本作品のヒロイン的存在
   
・小山内祥江
  35歳
  北海道小樽市在住
  津田麻衣子の姉
   
・小山内章一
  北海道小樽市在住
  小山内家 当主
  小山内祥江の夫
   
・高島勝子
  43歳
  北海道小樽市緑二丁目在住
  クラブ『忍路』経営
  小山内章一の姉
  小山内家 長女
   
・高島一美
  20歳
  北海道小樽市緑二丁目在住
  ミス小樽
  高島勝子の娘
   
・高島哲也
  45歳
  高島勝子の夫
  3年前より行方不明
   
・小山内俊子
  39歳
  北海道小樽市在住
  小山内祥江夫婦と同居
  小山内章一の姉
  小山内家 次女
   
・小山内幸子
  35歳
  北海道小樽市在住
  小山内祥江夫婦と同居
  小山内章一の妹
  小山内家 三女
   
・田淵千代
  小山内家 お手伝い
   
・寺島泰浩
  小樽市観光課 勤務
   
・林田寿之
  北海道小樽市在住
  建設会社社長 小樽市議会議員
   
・鳥羽
  北海道警小樽署刑事課捜査係 巡査部長
   
・明本
  北海道警捜査一課 警部
   
   

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